2016年02月17日

北海道の人口減少加速。最大人口減少都市・函館市には反転攻勢の希望あり。

北海道の人口が前回の国勢調査から30万人、2%減り538万人となった。一方で、札幌は2パーセント増え、人口が195万人となった。現在の景気動向は不透明だが、安倍政権で東京に活気があり、北海道は光が見えない状況が続いた事もあり、道外流出に拍車がかかった点もある。札幌には若者と高齢者が流れ込むという傾向がある。帯広や旭川の周辺自治体も医療を受けやすい地方中核都市だったり、造成地の完成もあり、周辺農村の若者や高齢者が集まり増加傾向になった。一方で、函館・釧路・北見等は周辺農村からの流入の受け皿になる事以上に衰退が大きく、底が抜けたような状態だ。今年、新幹線が到達する函館は北海道一の減少人数となっており、今後も新幹線がやってくる小樽市の減少幅も大きい。函館市は新幹線ができる事で、復興需要が残る東北への流出が加速し、一時的には人口寄与どころかマイナスが続くかもしれない。それでも、長い目で見れば函館にはプラスだが。

結論を言えば、人口減少に特効薬など無い。フランスは出生率低下を食い止めたというが、国民の大半がカソリックでもともと子供を多く産む土壌なのが、事実婚の制度的後押しで息を吹き返したのと、カソリック以上に子だくさんなイスラム教徒移民が出生率を大幅に引き上げたわけで、全く参考にならないとは言わないが日本とは違いすぎる。人口の大きさに依存するサービス業は年々パイが収縮するので、大規模小売は垂直統合を強化し、セイコーマートやコープさっぽろのようなビジネスモデルで行くしかない。観光と農業のシナジーが北海道のツートップになるだろう。あと有望なのはエネルギー産業だ。特に再生可能エネルギー開発の技術が日進月歩だ。地域の人口が減少すれば、減少するほど、他地域にエネルギーを販売する事ができる。自然エネルギーを水素化して輸送したり、パイプラインで札幌や本州に送り込める様になるだろう。アメリカのアラスカ州の所得が高いのは、生み出すエネルギーや農漁業の生産高に対して人口が少ないからだ。農業もエネルギーも生産性を高める事で所得が増え、いずれ人口も反転する。世界的食糧危機が迫っているので、20年頑張れば光明が見えるはずだ。むしろ、人口規模に依存した産業体系の札幌市の方が農村部以上に問題だ。

さて、函館市は北海道でもっとも人口減少の数が大きいが、北海道新幹線という大きなチャンスを手にしようとしている。何と大手航空会社が新幹線の影響は小さい為、函館空港の減便を一切考えていないそうだ。JR北海道も北海道新幹線の乗車率を25%前後と見ている。これでは大失敗ではないか?と思われるだろう。本来ならマズイ数字なのだが、北海道新幹線は東北新幹線の延長なわけで、北海道新幹線の乗車率が45%以上になってしまったら、逆に手前の東北新幹線区間の仙台や福島で降りる人達がチケットを取れていない計算になる。百分の25というより、母数40〜45分の25、つまり事実上のMAXから見て6割ぐらいと見ているわけで、そう見るとさほど低い数字ではない。それに一編成700〜800人の東京・函館間10往復で、7〜8千人は関東から北海道へ輸送する事でき、仙台までで半分が降りる計算でも3000人近くは北海道へ運べる。高橋知事は2020年までに外国人観光客を現在の年間200万人から300万人に引き上げる計画だ。あと4年で100万人増やすと言うのだ。新千歳空港の国際線駐機場などはパンク状態で、誘導路も新規に増設するが、東京オリンピックに何とか間に合わせる予定であり、この1、2年の対策としては無力だ。100万人増やすという事は、大雑把に計算すると1日3000人近く外国人の来道者を増やさなければならない。つまり、北海道新幹線の関東からの事実上の輸送能力とイコールだ。もちろん、その輸送力の全部を外国人にするわけではないが、高い料金や所要時間を考えると、日本人よりもジャパンレールパス等を利用でき、新幹線に乗ること自体が来日目的になっている外国人の利用の方が優勢になるかもしれない。それに、関東から函館のMAXは40%だが、降車ピークの仙台以北の半分は空席なのだから、キャパシティーの大きい仙台空港や、東北ステイ後の北海道入りの観光客を狙えば、もっと輸送力を活用できる。東北地方との連携が重要になる。新千歳空港に余裕が無く海外からの直通便が大きく増える可能性がなければ、成田・羽田経由でしか北海道に来れない国が大半なので、北海道訪日外国人300万人達成の鍵は北海道新幹線が握る事になる。

となると、そのゲートウェイたる函館は、新千歳空港に次ぐ国際観光窓口になる。JRのジャパンレールパス等は訪日外国人の列車移動の必須アイテムになっているが、この高速道路版にあたる北海道エクスプレスウェイパスも好調との事だ。こちらはレンタカー会社と連携した企画で、1週間のパスだと1日あたり千円程度で北海道の高速道路が乗り放題になる。台湾・韓国からの観光客など個人旅行志向が強まりは、列車にせよ、レンタカーにせよ函館を起点にする流れを強める。高橋道政の看板政策北海道訪日観光客300万人は前述の通り函館頼みなので、道庁のバックアップも相当のものになるだろう。それに加えて、函館市は現在でも日本一の地域ブランド都市である事を忘れてはいけない。10年ぐらいで人口減少を下げ止める決意で立ち向かえば、必ず函館は息を吹きかえせる。今後10年、20年で函館には好材料が目白押しだ。日露関係、北極海航路、貨物新幹線によるスピードアップ、カートレイン構想、等々だ。反撃開始の最初の狼煙が上がる3月26日が待ち遠しい。
posted by 瀕死の北海道経済への処方箋ブログ at 20:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする