2016年03月09日

北海道をロケハン天国に。

札幌市がインドネシアの最大手メディアグループ「コンパス・グラメディア」と提携する事になり、早速、インドネシアで今月放映される北海道特集番組のロケが行われるそうだ。雪まつりシーズン中も有名タイ人映画監督の札幌を中心としたロケが行われた。こちらの映画もタイだけでなく、インドネシア等複数の東南アジア諸国で上映されるそうだ。そもそも、台湾・韓国の北海道ブームのきっかけになったのが、岩井俊二監督の映画「ラブレター」で、舞台の小樽だけでなく、函館など明治大正期のレトロ満載の観光地がアジアで脚光を浴びるようになったのは、この映画の影響と言われている。また、中国の北海道ブームにきっかけになった中国映画「狙った恋の落とし方。」は、道東がロケ地であり、道央・道南偏重の北海道観光の中で、多くの中国人を道東観光に引き寄せた事で、全国自治体のロケ誘致戦略のモデルケースとなった。意図せざるものも含めて成功した北海道のロケ誘致の再現を求めて、日本その他の地方もアジア映画ロケ誘致が積極的に行われ、むしろ、北海道以上に九州等の自治体が実績をあげるようになってきた。どちらかというと棚から牡丹餅的な恩恵を受けていた北海道も尻に火がついた状況だ。札幌市もフィルムコミッションを作り積極的に映画ロケ等を誘致しているが、理念では映画でたくさん取り上げられる事によって札幌市民が札幌に誇りを持てるようになる事を目指しているそうだ。どちらかというと右の高橋北海道知事も左の前・上田札幌市長も、北海道のパチンコ屋のCMさえ「誇り」という言葉が好きなようでウンザリしてしまう。誇り誇り言っているウザい奴と友達になりたい人がどれだけいるだろうか。誇りは内に秘めるのが丁度良いのだ。むしろ、ロケ誘致で認知度上げて利益を地域に誘導しますの方が潔い。何ならロケも出来て、関連産業も集積しているバンクーバー(今やカナダのハリウッドと呼ばれている)のような映画産業都市を目指しますと宣言するべきだ。バンクーバーと札幌は気候や規模的にも似ている。北海道には都会もあるし、自然もある。しかも、「アジアのヨーロッパ」と言われる事もある北海道は、アジアにも見えるしヨーロッパにも見える。というか、無国籍的で、色が付いていない土地なのだ。NHKの朝ドラ「マッサン」は、十勝をスコットランドに見立ててロケを行った。黒澤明でさえ、昭和20年代の札幌の風土をロシアのサンクトペテルブルクに見立てて、ドストエフスキー作品「白痴」を映画化した。こういう土地はロケ地にもってこいだ。北海道と雰囲気が似ていると言われるニュージーランドは、ロードオブザリングの舞台であるファンタジー世界「中つ国」の為のロケ地でもあり、「ラストサムライ」の幕末日本のロケ地にもなった。韓国ドラマ「冬のソナタ」は、もともとは北海道ロケをする予定だった。現在、ロケを増やしたい北海道の自治体がタイの有名監督に資金援助をするぐらいだから、その当時から態勢が整っていれば、簡単にロケを誘致できていただろう。別に北海道でロケができれば、北海道自体が舞台とされる話じゃなくても良いのだ。カナダの映画産業において、ロケ誘致が収益の要となっており、カナダの自然、歴史的建造物、近代的建造物でロケ地向きな風景はほとんど映像等のデータベース化がされており、ロケ地探しをする手間が大幅に省ける。今年のアカデミー賞3部門制覇の「レヴェナント蘇りし者」はアメリカ北西部の物語だが、実際はカナダロケの作品だ。一方で、カナダはCGを多用する映画の為のVFX産業の誘致も積極的だ。つまり、CGを使わないロケ重視の映画だけでなく、CGを積極的に使う作品にも対応できるのがカナダ映画産業なのだ。とりあえず、北海道はアジアのロケハン天国を目指すべきだろう。

そういえば、今年は函館を舞台にした故・佐藤泰志原作の映画「オーバーフェンス」が公開され、大林宣彦監督の尾道三部作ならぬ、函館三部作が完成する。もともと、佐藤さんの同級生たちが映画化一作目「海炭市叙景」に奔走し、二作目の「そこのみにて光輝く」で花開いた。一作目の熊切和嘉監督、二作目の呉美保監督、三作目の山下敦弘監督のいずれも大阪芸術大学出身で次世代の日本映画を背負うだろう実力派監督だ。また、原作には函館の闇の部分が描かれるから函館のイメージダウンだという人もいるそうだが、港町で朝市もあるような所なら、貧困やら、密漁やら闇経済やらがあるのに決まっているのだ。風俗街はイメージが悪いのでススキノを潰そうとか、札幌にススキノは無い事にしようというのが馬鹿げているのと同じ事だ。一時期、森田芳光監督が仕事場を設けていたぐらい映画的に魅力なのが函館だ。映画では光と闇、喜怒哀楽が描かれて当然なのだ。
posted by 瀕死の北海道経済への処方箋ブログ at 09:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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