では、場所はどこが良いか。順当に行けば、大倉山のラージヒルに併設が考えられる。ただ、現時点でも横風の問題があり、大倉山でのフライングヒルはラージヒル以上に風の問題が出てくるという指摘もある。また、既に観光施設として大倉山は整備されているので、ジャンプ台増設のスペース的な問題もあるだろう。ノーマルヒルの宮の森併設でも似たような問題が出てくるかもしれない。であれば、いっそのこと山頂でなく中腹など風の問題が少ない位置に作ろうという発想も出てくる。藻岩山や手稲山等だろうか。いずれにせよ、様々な困難がありそうだ。
やっぱり厳しいのかと考えてしまうが、将来を考えると無駄遣いと切り捨ててしまうには惜しい。まず、アジア全体でのウインタースポーツ熱の高まりだ。来年の韓国平昌冬季五輪や中国北京冬季五輪が続く。日本はアルペン競技では一流ではなくても、ジャンプを含むノルディック系の競技は一流であるし、その核になる施設がジャンプ台だ。北海道は至るところに中小のジャンプ台があり、その頂点として大倉山や宮の森がある。そこに、フライングヒルが加われば、アジアのウインタースポーツの首都の座を確固たるものとする事ができる。ウィンタースポーツで一流を目指すアスリートはアルペン競技ならイタリア、ノルディック系ならノルウェーやフィンランドへ留学するかもしれないが、雪のある韓国・中国だけでなく、雪の降らないアジア諸国の人達が冬季オリンピック等を目指す拠点として、北海道は最適だろう。北海道はアジアから観光客が多いので、母国からのツアー客ガイド等で生計を立てる事もできる。そういう長期的視野で考えると悪くは無いし、先ほど言ったように日本人ジャンパーの競技レベルを支える上でも重要だ。世界最大の閲覧数を誇るアメリカの旅行サイト「トリップアドバイザー」でも、日本の行きたい観光地として、東京・京都に次ぐ、第3位に倶知安町がランクインして関係者を驚かせている。大体、北海道以外の日本人でも倶知安町がわかる人自体少ない。ニセコの中心地だよと言って、やっとわかる程度だ。逆に言えば、ウィンタースポーツの関連する施設・場所が、世界レベルで見てどれだけ価値があるかがうかがえる話だ。野球のドーム球場のネーミングライトに年間何億もの価値があるというが、ヨーロッパ以外初のフライングヒルにはそれ以上の価値があるかもしれない。施設運営権や商業施設を併設すれば、資金回収も楽になる。

