2019年05月16日

大樹町はなぜ宇宙に近い町になったのか?E大樹町がアジアの航空宇宙産業の拠点になれる理由。

今回は大樹町がアジアの航空宇宙産業の拠点になれる理由について考えてみる。えっ、北海道のじゃないの?もしくは、日本の航空宇宙産業の拠点とかじゃなく?と思われるかもしれないが、アジアの航空宇宙拠点だ。これは、このブログが思いつきで書いているのではなく、2017年に自民党の宇宙・海洋開発特別委員会の委員長である河村建夫衆議院議員が鹿児島の次に作られる国内第3射場の在り方として、アジアを中心に世界の宇宙関係者が集まる拠点にしていくべきという見方を示し、暗に大樹町の宇宙港構想を評価している事に起因している。日本の既存の射場では、打ち上げ需要をほとんど賄う事ができないので、日本の宇宙技術を海外に売り込む事は難しい。もし、種子島宇宙センターの7倍の敷地を使えるという大樹町宇宙港構想が実現すれば、フィリピン、マレーシア、タイなどような自国での打ち上げ実績の無い国や、逆にロケットを日本などから購入して打ち上げるインドネシアのような国に打ち上げ拠点を提供して、日本の部品、ノウハウを使って大樹町から打ち上げる事が可能になる。しかも、日本はフィリピンからの人工衛星技術者を東北大学や北海道大学に招き入れて、日本のロケットを使って打ち上げる形を実現させた。一方的に日本の製品を売りつけるのではなく、相手の国の技術者が育つ場所を提供し、共存共栄を目指しているわけで、中国やロシアなどと違うやり方をアピールしている。もし、大樹町の宇宙港構想にこれらの国が参加できれば、日本の宇宙航空産業にプラスになるだけでなく、経済・安全保障両面で結びつきを強めていく事が可能だ。しかも、タイやマレーシア等の国々はすでに北海道のホテルを所有し、ビジネスの権益を持っている。全く見ず知らずの地域では無いだけに安心感もある。また、中国や韓国に技術を奪われはしないかという危惧があるかもしれないが、分野によっては中国の方が遥かに宇宙に関する技術が進んでいるので杞憂だろう。また、ロケット関連の部品や工作機械は輸出禁止になっているのでそう簡単に持ち出せない。韓国に至っては技術はそこそこあっても、国土的に地球低軌道への南側打ち上げはできても、東側打ち上げができないので静止衛星軌道への投入は他国でやるしかない。自国の近くに、一応東打ちができ静止衛星軌道への投入ができる大樹町のような場所が欲しいが、これだけ関係が悪いと日本がその機会を提供する事はないだろう。つまり、日本にとっては外交カードとしても使えるのだ。それに、中韓にとっては、日本は東南アジア諸国等の打ち上げビジネス需要を取り合うライバルなので、日本に場所とノウハウを提供されてしまったら商売あがったりになるだろう。

大樹町宇宙港には現行の小規模射場に加え、中規模と大規模射場、そして4000メートルの滑走路も整備する。大樹町はインターステラテクノロジズ社のようなロケットの垂直打ち上げだけで無く、飛行機のように水平離陸してサブオービタルに達するスペースプレーンでの宇宙旅行ビジネスの誘致も狙っている。その候補の一つであるスペースウォーカー社は2028年あたりまでには有人宇宙飛行ビジネスを実現させたいと考えている。ところが、そのビジネスには先がある。単に宇宙港から飛び立ってその宇宙港に戻ってくる宇宙旅行ビジネスから発展させて、サブオービタルで音速飛行を行い2地点間の宇宙旅行を行うというものだ。どういう事かというと、大樹町の宇宙港からサブオービタルに達して、90分でアメリカ中西部の宇宙港に着陸する事ができるというものだ。通常のジェット飛行機の6倍以上の速度となる。もちろん、普通の飛行機より大量輸送はできないし、とんでもない金額がかかるが、宇宙旅行を楽しみながら日米間を高速移動できるなら、富裕層にとっては魅力的だろう。ただ、単純な宇宙旅行よりも難易度が高いので、実現は2040〜50年あたりの年代になると言われている。ここで、大樹町の立地を考えてみると、成田羽田から北米への航空便が大樹町から目と鼻の先の根室沖ルートを通過している。東京からだけではなく、アジアから北米方面へのフライトでも北海道付近を通過するケースが多いので、2地点間サブオービタル飛行の拠点としても地の利があるのだ。とりわけ、アジアの富豪にとっては十勝に別荘を持つ事が、利便性の面でもステータスの面でも魅力的になってくるかもしれない。現時点でも、海外特にアジアからのリゾート、別荘投資はニセコから東の富良野や道東に移って来つつある。ここで大樹町の宇宙港構想が注目を浴びれば一気に投資の選択肢に十勝が入ってくるだろう。十勝はスノーリゾートとしては少し降雪量が少なく弱いが、津軽海峡は北極海航路にとってのマラッカ海峡でもあり、交通の要衝だ。一応、南十勝には白銀台スキー場もあるし、何より空港もある。シンガポールや隣接するマレーシアのジョホールバルが栄え、中国がマラッカ海峡の都市に投資をするようになったのも、そこが重要なシーレーン沿いだからであり、中国が苫小牧や釧路に政府要人を視察させるのは同じ理由だ。太平洋側に面する土地に権益を持つという意味でニセコや富良野に無い魅力を持っている。それに、十勝は日本の代表的な穀倉地帯なので、せっかくだから十勝の食品を使って商売をしたいと、ここに拠点を持った人は誰もが思う。しかも、アジアからの観光旅客機には格納庫を使ってベリー輸送をできるものも多いので、そのスペースを使って貿易もできる。観光に加え、工業の交流を持つ事で、北海道農産物の輸出大幅拡大の可能性も高まる。東南アジアには製薬産業の発展をさせたい国も多く、前述したように微小重力実験ができる環境も魅力的だ。

posted by 瀕死の北海道経済への処方箋ブログ at 21:43| 航空宇宙関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月15日

大樹町はなぜ宇宙に近い町になったのか?D北海道は再び微小重力実験の聖地に

インターステラテクノロジズ社は民間初の宇宙空間到達ロケットの打上げに成功した。ただ、実際は人工衛星を搭載できる大きさや推力は無く、ビジネスとしてはこれからだ!という論調が多い。実際、間違いではないのだろうが、観測ロケットMOMOの潜在力を軽視しすぎではないか?と思う。ちょっと気がかりなのは、大成功に終わったMOMO3号の打上げにおいて、燃料噴射が終了し惰性で飛行中に機体の回転が増し、ロケット落下時の微小重力状態における実験観測に影響を与えるかもしれないというのだ。


たしかに、最後の箇所を見ると自由落下にロールしている。




実は観測ロケットの最大の売りは単に宇宙空間に到達することだけでは無く、自由落下時に4分もの間、微小重力の状態、地上と比べると何万分の1の重力を実現できるという事だ。微小重力状態を作る事ができれば、今後、宇宙空間に到達させる機器の部品の性能チェックができるだけでなく、新たな素材を作る為の合成や医学創薬産業にも有益な実験空間になる。というのも、地上の生物は皆、重力で引っ張られているというか、押しつぶされているのだそうだ。別に歳を取ると顔の肉が引力でたるんで嫌だねみたいな話ではなく、生物を構成する細胞だったり、病原菌のタンパク質も押し潰された形で地上では存在しているという事らしい。ところが、それは薬を作る上で困った状況でもある。タンパク質の押し潰されていない本当の形がわからなければ、その形にあった構造を持った薬を発見する事ができないのだそうだ。逆に言うと、宇宙や微小重力状態でその病原体の様子を観察すると、本当の形がわかり、スムーズに創薬できるというわけだ。実は北海道の上砂川の炭鉱跡を利用して、微小重力実験施設が作られていたのだが、国際宇宙ステーションに日本の実験棟きぼうが出来た事もあり、廃止されてしまった。別にISSできるなら良いと思うかもしれないが、それは方便であり、コスト的にも、機会的にも全ての研究者がISSを利用できる訳ではないし、廃止しなくて済むのだったら存続した方が良かったのだ。というのも、この手の実験棟はアメリカとドイツに一つづつしかなく、上砂川の施設はアジア唯一で世界一の実験施設と言われていた。これはまずいと立ち上がったのはHASTIC(北海道宇宙科学技術創成センター、Hokkaido Aerospace Science and Technology Incubation Center)、植松電機の協力で、国の力に頼らずに民間で微小重力実験棟のコスモトーレを作ってしまった。上砂川では十秒の微小重力状態を作られたのが、赤平の植松電機内の施設では三秒程度となってしまうが、上砂川では一度の実験に300万円近くの使用料がかかったものを、一回3万円で実験機会を提供し、年間60近い利用があるそうだ。つまり、週1回ペースで微小重力実験が行われており、企業、研究所だけでなく、学生の個人的な研究、海外からの訪問もあり、きぼう実験棟ができてからも北海道がアジアの微小重力実験のハブであり続けている。微小重力実験にはマーケットがまだある。何せ、JAXA自体が植松電機のコスモトーレを利用して実験をしてるのだから、きぼう実験棟ができたから上砂川が要らなくなったというのは如何に国の方便だったかがわかる。ちなみに、このHASTICと植松電機がインターステラテクノロジズの前身SNS社時代のロケットの共同開発と打上げ業務を請け負っていた。彼らは北海道の宇宙産業のお助けマン的な存在なのだ。

微小重力実験には可能性がある。手段は微小重力実験棟、飛行機による自由落下、観測ロケット打上げ、国際宇宙ステーション内実験棟の4つであるが、微小重力実験棟と観測ロケットは北海道にある。しかも、JAXAの鹿児島県の観測ロケット打上げは時期が限られており、雪原で機体回収もしやすい北欧や南極等海外での打上げが増えている。となると、国内でオンデマンド的に実験ができるのは大樹町のMOMOだけになる。しかも、MOMOは一回の打上げ費用が5千万円。そこから人件費を引いて、量産効果が出れば2千万円台のコストで打上げが出来そうな感じだ。クラウドファンディングの目標額も大体そのあたりだった。それで、十秒で300万円もした微小重力実験が四分もできるとなると結構な収益源になる。(微小重力実験棟だと重量のあるものでの実験もできるので単純比較はできないが。)ここに、観客の宿泊先や出店とのタイアップ、ロケット広告での収益を入れると十分ペイする感じなのは理解できる。また、飛行機での実験に触れていないが、飛行機も自由落下に微小重力状態を作り出せるが、風圧の関係で精度がかなり落ちる。ただ、きぼう実験棟と同じように人の手による実験も可能なので引き合いは強い。これも大樹町の滑走路が延長し、スペースウォーカーやPDエアロスペースのようなスペースプレーンによって宇宙旅行ビジネスを目指すベンチャーが参入すれば北海道で可能になるかもしれない。北海道で微小重力実験が幅広く、低コストで頻繁に行われるようになれば、それこそ宇宙産業以外の素材やライフサイエンス産業の進出も増えてくる。衛星打ち上げだけが宇宙ビジネスではないのだ。
posted by 瀕死の北海道経済への処方箋ブログ at 01:28| 航空宇宙関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

日本初!民間宇宙ロケット打ち上げ成功。

おめでとうございます。ついに3回目にして成功しました。



ちなみ、2回目の大爆発。





スペースポートの拡張も検討されています。すごいスケール。



posted by 瀕死の北海道経済への処方箋ブログ at 15:53| 航空宇宙関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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