北海道の鈴木直道知事は平成最後の4月30日に十勝大樹町を視察し、航空宇宙産業を北海道の新産業の一つとしてアピールする事になりそうだ。もちろん、インターステラテクノロジズ社の打ち上げが成功すれば、絶好のアピ―ルの舞台となり、失敗すればイマイチの機会になってしまうので、是非とも成功して欲しいものだ。さて、今回は北海道の航空宇宙産業の事ではなく、国際会議に関してのものだ。今年の北海道知事選挙の野党統一候補だった石川知裕さんは、北海道版ダボス会議を組織し、北海道の行政と経済界が活発に意見を出し合って、活性化していくというアイデアを持っていた。対する鈴木新知事も北海道を応援し、財政的にも寄付してくれる応援団企業を募るという公約を出した。鈴木新知事のアイデアも、石川知裕さんのアイデアも道民からは似た印象を受けると思う。是非、北海道の行政と財界が協力できる仕組みを作って欲しいが、一方で、単純にスイスのダボス会議的なものを北海道、具体的に言えばニセコで行ってはどうだろうと思う。
スキーリゾートで有名なスイスのダボスで世界中から財界人や学者、そして、世界の首脳が集う国際会議が開かれている。この会議はスイスの有力企業群、特に日本で言えば三菱重工のようなスイスの重電インフラ企業ABBが中心のパトロンとなって運営している。ところで、最近、北海道のニセコがミニダボス化していると話題になっている。というのも、ニセコにはアジアの富豪が別荘を持つことが一種のトレンドになっており、財閥のトップ同士がニセコの別荘を行き来し、さながらダボスでの会合のようなものがいくつも行われるようになっているのだそうだ。これを逃さない手はないだろう。このようにアジアの富豪が集う場所で日本政府が会議をセッティングし、世界の財界人、学者だけでなく、首脳にも呼びかけを行えば、日本の外交上の影響力が高まる。もし、世界の首脳が定期的に日本を訪れるようになれば、日本の首相ともニセコでついでに首脳会談ができる。つまり、資金的にも時間的にも大幅に外交コストが抑えられる。もちろん、北海道にも注目が集まり、経済にも貢献するだろう。今年はG20の観光大臣会合がニセコ倶知安町で開かれるので、注目が集まる。今後、日本だけでなく、世界中で富裕層の需要の取り合いが活発化する。おそらく、何もしなければ、本州や中国・韓国のスノーリゾートが東洋のダボス会議を目指して名乗りを上げてくるだろう。鈴木新知事には、ニセコに優位性がある今のうちに、アジア版ダボス会議としてのニセコ会議を定着させる働きかけをして欲しい。
2019年04月30日
2017年08月05日
道立高校も将来を見越して倶知安高校等の国際バカロレアプログラム対応を行うべき。
文科省はスイス・ジュネーブに本部のある国際バカロレア機構の教育プログラム導入に力を入れている。国際的に通じる人材を育成するのが主目的だが、特にディプロマプログラムという国際的な大学入試資格を獲得できる16〜19歳向けのプログラムが注目を浴びる。国際的な大学入試資格というだけあって、授業は英語、フランス、スペイン語等で行われる事が一般的だが、日本でのプログラムでは、日本語が中心で、英語での授業にも対応できる語学力も要求されるという形になる。最近、北海道ローカルのニュース番組などで取り上げられていたが、ニセコ地区では国際結婚カップルや外国人中心に国際バカロレアプログラムの導入を望む声が高まっているそうだ。具体的には道立高校の北海道倶知安高等学校に国際バカロレアのディプロマコースを設置してほしいという要望だ。
https://kutchanibschool.com/home-ja/
本来、このプログラムは、外交官のお子さん達が海外の赴任先での教育、特に高等教育、大学入試に難儀した事から、現地の学校でも国際的な大学入試資格を取れるようになれば良いだろうという事で整備された仕組みだ。ちなみにディプロマDiplomaとは、卒業証明書の意味で、diplomatic「外交上の、外交の」の意味とは違う。ただ、diplomaticのdiplはdoubleと同じ言葉で、紙を二重に折る意味となり、欧米では学長から卒業証書を貰った学生や本国政府から委任状を受けた大使が証書を二つ折りにして仕舞う事が語源なので、無関係な言葉では無い。日本だと、証書等は丸めて筒に入れて保存したりするので、大事なものを二つ折りにする習慣は無いのでピンと来ないが。
・猛追する長野県白馬村
ニセコをベンチマークし、さらに追い越す為にインバウンド対策を行なっている白馬。ニセコの4スキー場が、共通券を発行しニセコユナイテッドとして、売り出したのと同様に、白馬もHAKUBAVALLEYとして、全10スキー場を共通券化した。そんな白馬村でも国際バカロレアプログラムに対応する中高一貫校を2020年にも開校する計画がある。ニセコのような住民からの要望があっての対応というよりも、エリート育成がメインなのだろうが、倶知安等のニセコ地区が対応できなければ、より優れた教育環境を持っているという事で、白馬村の大きなアドバンテージになる。家族で少なくとも高校まで過ごせる環境を整備されている白馬にニセコから移住する人達も増えるかもしれない。
・今後、ニセコ地区のようなケースが増える。
個人的には、是非、倶知安高校での対応ができるのなら、国際バカロレアのディプロマプログラム対応をすべきだと思う。もちろん、道立高校には荷が重い話で、人材確保や給与面など大変な事が多いのもわかる。ただ、今後、ニセコ地区のようなケースが北海道には増える。まず、北方領土問題が進展し、ロシアとの交流が盛んになれば、北海道で教育を受けるロシア人の学生も増えるかもしれない。となると、稚内や根室に国際バカロレア対応校を増やす必要があるかもしれない。また、苫小牧を将来的に北極海航路の拠点にするなら、世界中から人が集まる事になる。大樹町も航空宇宙産業基地として発展させるなら、多くの技術者をアメリカ等から引き抜く必要が出てくる。そういう時に、外国人が家族を連れて来られないとなると、それが産業発展の足枷になりかねない。逆に、地域に国際バカロレアに対応できるレベルの高い教育機関ができれば、地方から札幌への若者流出の歯止めになる可能性もある。困難は重々承知だが、取り組むべき課題だと思う。
https://kutchanibschool.com/home-ja/
本来、このプログラムは、外交官のお子さん達が海外の赴任先での教育、特に高等教育、大学入試に難儀した事から、現地の学校でも国際的な大学入試資格を取れるようになれば良いだろうという事で整備された仕組みだ。ちなみにディプロマDiplomaとは、卒業証明書の意味で、diplomatic「外交上の、外交の」の意味とは違う。ただ、diplomaticのdiplはdoubleと同じ言葉で、紙を二重に折る意味となり、欧米では学長から卒業証書を貰った学生や本国政府から委任状を受けた大使が証書を二つ折りにして仕舞う事が語源なので、無関係な言葉では無い。日本だと、証書等は丸めて筒に入れて保存したりするので、大事なものを二つ折りにする習慣は無いのでピンと来ないが。
・猛追する長野県白馬村
ニセコをベンチマークし、さらに追い越す為にインバウンド対策を行なっている白馬。ニセコの4スキー場が、共通券を発行しニセコユナイテッドとして、売り出したのと同様に、白馬もHAKUBAVALLEYとして、全10スキー場を共通券化した。そんな白馬村でも国際バカロレアプログラムに対応する中高一貫校を2020年にも開校する計画がある。ニセコのような住民からの要望があっての対応というよりも、エリート育成がメインなのだろうが、倶知安等のニセコ地区が対応できなければ、より優れた教育環境を持っているという事で、白馬村の大きなアドバンテージになる。家族で少なくとも高校まで過ごせる環境を整備されている白馬にニセコから移住する人達も増えるかもしれない。
・今後、ニセコ地区のようなケースが増える。
個人的には、是非、倶知安高校での対応ができるのなら、国際バカロレアのディプロマプログラム対応をすべきだと思う。もちろん、道立高校には荷が重い話で、人材確保や給与面など大変な事が多いのもわかる。ただ、今後、ニセコ地区のようなケースが北海道には増える。まず、北方領土問題が進展し、ロシアとの交流が盛んになれば、北海道で教育を受けるロシア人の学生も増えるかもしれない。となると、稚内や根室に国際バカロレア対応校を増やす必要があるかもしれない。また、苫小牧を将来的に北極海航路の拠点にするなら、世界中から人が集まる事になる。大樹町も航空宇宙産業基地として発展させるなら、多くの技術者をアメリカ等から引き抜く必要が出てくる。そういう時に、外国人が家族を連れて来られないとなると、それが産業発展の足枷になりかねない。逆に、地域に国際バカロレアに対応できるレベルの高い教育機関ができれば、地方から札幌への若者流出の歯止めになる可能性もある。困難は重々承知だが、取り組むべき課題だと思う。
2017年06月20日
ニセコ英語村からIT産業集積を目指せ。道庁はチャンスを活かせるか?
こちらの映像は韓国の英語村の代表ともされていたパジュ英語村。東京ドーム6個分の土地にイギリス南部の村を再現し、造成に100億円超をかけた上、二百人近くの外国人スタッフを住まわせ、英語漬けを実現させたテーマパークだ。しかし、ハコモノの維持費と通常のテーマパークと違って、英語を話せるスタッフの確保や人件費高騰で、地元自治体の京畿道は赤字を抱えきれなくなり、事実上の破綻処理を進めていく方針となった。パジュは代表的な公営英語村だが、民間の英語村を加えると30箇所近くになり、ターゲットになる子供や英語話者の取り合いになり、このビジネスがますます難しくなっている。とりあえず、英語を話せる人材をという事で、フィリピン人スタッフやアメリカ在住の韓国人で埋めわせようとしたが、多くの英語村で英語オンリーの環境を作り出せなくなっているという。どうせなら、韓国から近いフィリピンに留学させた方が良いという事で、韓国の業者がフィリピンに英語研修施設を作るケースも増えてきたそうだ。また、大阪イングリッシュビレッジも韓国の業者だ。東京都は2018年9月にTOKYO GLOBAL GATEWAYというパジュ英語村も参考にしたであろう施設をオープンさせる。舛添前都知事の肝いりだそうで、さもありなんという感じがする。東京オリンピックに間に合わせる為に、破綻したビジネスモデルを今から始めるとは罪な事をしてくれるものだ。しかし、日本には韓国のようにべらぼうに英語村があるわけではなく、立地もお台場と人材確保もしやすいだろうから、そこそこ成功するかもしれないが、高コストで赤字になりやすいタイプのテーマパークには違いない。
さて、北海道で事実上の英語村に近い形になっているのが、ニセコ地区だ。東急グループ等はこの特殊な状況を利用して、子供向けの英語スクールを行なっている。ニセコはあくまで自然に形成された英語村が山田地区等に形成されているので、建設コストや人件費がかからない。持続可能な本当の英語村だ。韓国の英語村は日本の子供受け入れも積極的に行なっており、1週間で10万円ぐらいの相場だ。また、中国やロシアからの参加もあるという。この需要は積極的に取って行った方が良い。倶知安・ニセコが難しいなら、蘭越、真狩、共和、京極、喜茂別、留寿都等に簡単な教室スペースを確保して、ニセコ地区で実地研修をすれば良い。また、全国の大学から研修施設を誘致することも出来る。夏休み冬休み等は学生が利用し、その他の時期は外部に賃貸しても良い。最近、オーストラリア政府が観光と英語に特化した職業訓練校を留寿都に整備するのでは無いかと話題になっているが、このような動きはニセコ地区の英語研修村化に拍車をかけるだろう。
・長期滞在リゾート→外国人高度人材獲得→ IT産業集積 ←IT研修村←英語村
ニセコ独特のバックグランドを利用して、英語村を整備する流れは出来ているが、ここでもう一歩計画を進めてみてはどうだろうか?英語村に加えて、コーディングブートキャンプ、つまりIT研修村にしてしまう事だ。コーディング、プログラミングも英語の変形みたいなものだから、イングリッシュブートキャンプとコーディングブートキャンプは相性が良いと思う。特に夏は避暑地として、快適に勉強できるのだからもってこいだ。短期間のIT研修であるコーディングブートキャンプは、IT産業で働きたいが理系学校出身者ではない人達に情報産業の基礎知識からプログラムミング技術までを叩き込むもので、シリコンバレーではこれを活用してIT産業に就職する人が少なくない。新幹線札幌延伸後は200万都市と1時間以内で結ばれ、そして、コーディングブートキャンプがあれば、人材確保に苦慮するIT産業にとって魅力的になる。大学が施設を用意し、イングリッシュブートキャンプやコーディングブートキャンプの業者がそこで学生にレクチャーしてくれる体制を作れば、学生も就職対策になって喜ぶだろう。そして、ニセコがIT産業集積に最も適していると思うのは、世界最大級の旅行サイト「トリップアドバイザー」で倶知安町が東京、京都に次ぐ、外国人による人気観光地の第3位に選ばれた事だ。これは逆立ちしても真似できない事だし、この人気を活かさないのはもったいない。政府は日本での永住権を餌に、外国人IT高度人材を確保しようとしているが、アメリカでは優秀なIT人材が何千万単位の年収を稼いでいるので、残念ながら日本のショボイ年収なんぞ見向きもされない。ただ、永住権はいらないが、ニセコでスノーシーズンを2、3年は楽しんでみたいとか、東京の暑さは耐えられないという外国人高度人材は必ずいるはずだ。しかも、ニセコ地区なら日本語ができなくてもノーストレスだ。また、ニセコ地区の自治体は外資慣れしているので、日本企業だけではなく、外資IT企業がきても協調してやっていけるだろう。この地区に外資系、特にアメリカの企業が参入するような事になれば、日本のIT産業を志す若者にも大きなモチベーションになる。アメリカ系の企業で活躍し、アメリカ本社に引き抜かれる事になれば、一千万以上の年収を約束される事にもなる。さらに、アメリカで何年か働けば、さらなる高年収を求めて転職もできる。今、カナダのバンクーバーにIT企業に世界の人材が集まっているのは、同じ英語圏のカナダで実績を残せば、シリコンバレーの企業が引き抜いてくれるチャンスが広がるからだ。まぁ。トランプ政権になって、このアメリカンドリームも不透明になってはいるが。そう簡単には行かないかもしれないが、苫東の工業地帯のように巨額投資が必要なわけでもなく、この構想は本当に引き合いがあったときだけ整備していけば良い。大した準備が要らず、言うだけタダなのだから、北海道が中心になってIT産業をニセコ地区に誘致していけば良いと思う。カネの無い北海道にはピッタリだと思う。

